麻雀旅打ち記録

麻雀旅打ちとかMリーグ

麻雀幕間6 場末の雀荘5(終)

5話目です

1話目 麻雀幕間2 場末の雀荘1 - 麻雀旅打ち記録

4話目 麻雀幕間5 場末の雀荘4 - 麻雀旅打ち記録

 

勝てない

勝てない

勝てない

 

ほとんどのゲームで、店主かスキンヘッドがトップを取る

手持ちが止め処なく減っていく

これ以上続けても無駄である

頭では理解出来ているが、熱くなって席を立てない

 

きっとコンビ打ちだ

若者相手にそんな露骨なことはやらないだろうとか、

そんな考えは甘かったのだ

 

店主の優しい言葉使いや、

スキンヘッドの負けた時の熱がりようとか、

全てが疑わしく見えてくる

 

そもそもなんで、私はこんなところで麻雀を打っているのだ

これまでに溶けた分は、友人が所持している分の何倍にも上る

 

私はただ悔しかった

麻雀に自信はあった

それなのに、こんな意味の分からない老人に負けるのかと

 

ただ勝ちたかった

自分の信じた麻雀が報われるのだと

コンビ打ちだとしても関係ない

こんな老人ども、一人でなんとかしてやる

 

 

南1局 ドラ

東家 私 10,000点

南家 店主 17,000点

西家 スキンヘッド 27,000点

 

  ツモ

 

祈りは通じたのか

中盤に役、ドラ4の好形聴牌が入った

だが、このままではただの満貫(6,000点)だ

当然ながらリーチだ!

みてろ老人共、これが俺の麻雀だ

 

一発ツモ!

倍満(4,000オール)だ

 

東家 私 18,000点

南家 店主 13,000点

西家 スキンヘッド 23,000点

 

あれ・・・以外に縮まってない・・・

だが、流れはこっちにある

この半荘こそトップを取るんだ!

 

 

南3局オーラス 12順目 ドラ

東家 スキンヘッド 22,600点

南家 私 21,900点

西家 店主 9,500点

 

 

 

終局が近づく

また届かないのか・・・

点数計算は結局良く分からないが、リーチツモならば流石に逆転だろう・・・

ただ愚形が残る

和了るのは厳しそうだ

 

店主の満貫ツモで、私の逆転トップの可能性もあるが

きっとそんなことはしてこないだろう

おそらくとか、多分ではない

コンビ打ちであることが、徐々に確信に変わってくる

 

店主が不敵に笑っている

スキンヘッドも笑っている

 

スキンヘッドに聴牌がはいったのだろう

不聴罰符での逆転も無理なのだろう

 

残りツモが少なくなる

私はツモる手に力を込める

 

   ツモ

 

来た!!!

ツモは後2回

この選択は間違えられない

私は、落ち着いて河を見る

 

全て1枚切れだった

の方が一枚多いが、は山に残っているのではないか

いや、1枚でも多い方がいいだろう

私は待ちで渾身のリーチを打った!

 

 

 

店主「ツモ!

 

しまった! リーチ棒のせいで親被りでも逆転できないのか

 

 ツモ

 

店主「アンコばっかり!

 

はぁ!!!!????

 

店主の逆転トップ

負けが込んできて流石に限界だった

私は席を立った

 

半年後、店の看板はなかった

 

(おわり)

 

いまでも忘れられない思い出

この経験から、相手の裏3くらいでは理不尽とは感じず

むしろ当然くらいに思えるようになりました